読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

落語楽 - わかりやすい落語の噺 -

落語の噺を綴ってます

【落語】子ほめ(こほめ) a.k.a. 赤子褒め(あかごほめ)

あ〜お か〜こ

隠居の所へやってきた八五郎。

入ってくるなり、『只の酒飲ませろ!』と言って隠居を仰天させた。

実を言うと、これは『只(タダ)の酒』ではなく『灘(なだ)の酒』の聞き間違いであったのだが、八五郎の態度に隠居は呆れ、『口が悪いと損をするぞ』と忠告した。

※ 灘の酒・・・兵庫県の灘地方で生産されている清酒。古くから良質の水と優秀な醸造技術からつくられた優良品と称されている。

隠居は、『損をしたくなかったら言葉遣いを直せ』と八五郎にアドバイス。

道で知人に出会ったら、相手に年齢を尋ねて相手が答えたらそれより若く見えるとおだてりすれば一杯ぐらいおごってもらえるんじゃないか。

例えば、50歳近くなら『如何見ても厄そこそこ』と言えば、男の厄年は41〜43歳なので、約10歳は若く見られたと相手は喜ぶと言うわけなのだ。

しかし、そう都合よく年配ばかりが通りかかるとも限らない。たまたま、仲間の竹に赤ん坊が生まれたので、祝いに行けば酒をおごってもらえると算段した八五郎は赤ん坊のほめ方はどうすればいいか質問をした。

それに対し、隠居は『顔をよく見て人相を褒め、親を喜ばせばいいんだ』とアドバイス。

「例えば、『この子があなた様のお子さまでございますか。あなたのおじいさまに似てご長命の相でいらっしゃる。栴檀(せんだん)は双葉(ふたば)より芳しく、蛇は寸にしてその気を呑むと言います。私も早く、こんなお子さまにあやかりたい。』とでも言えば良いのだ。」

※ 栴檀(せんだん)は双葉(ふたば)より芳(かんば)し・・・大成する者は、幼いときから人並み外れてすぐれていることのたとえ。

※ 蛇は寸にしてその気を呑む・・・大蛇はわずか一寸(約3cm)ほどのときから、人間を呑みこもうとする気迫を持っていることから、優れている人物は、幼いときから常人とは違ったところがあるというたとえ。

これで完璧。喜んで町に出ると、顔見知りの伊勢屋の番頭に会ったから早速おごって貰おうと声をかけた。

しかし、『町内の色男』と逆に褒められご馳走をさせられそうになってしまった。気を取り直して歳を訊くと、何と相手は四十歳。無理やり四十五歳だと言ってもらい、いくつに見えると質問されて『厄そこそこ』。

完璧に失敗し、逃げ出した八五郎は今度こそおごってもらおうと竹の所を訪れた。しかし、いざ褒める段になって台詞がまったくでてこない。

「おじいさまに長命丸飲ませましたな。洗濯は一晩では乾かず、ジャワスマトラは南方だ。」

最後の手段で年を尋ねると、竹が『(数え年で)一つ』と言うので、

「一つにしちゃあ大変お若い、どう見てもタダだ。」

f:id:newsomosiro:20160412070421j:plain

別題では「赤子褒め」とも言われているようです。

from のも